「NPO法人 ACOBA」は、コミュニティビジネスを支援・実践し、活き活きとした地域づくりに取り組み、地域活動を目指す人たちを支援します。

SET UP MEETING IN ABIKO

「我孫子で仕事を造ろう!」 (1)

2010年11月27日開催

「我孫子を、もっと活性化するために一人ひとりが新しい仕事を考え、そして仲間とともに
【我孫子から生まれ・育つ仕事】
を始めましょう!」
こんな思いを語り合う気軽なMeetingです。
また、現職の県議・市議をゲストにお招きしまし、地域や経済の様々な動きについての
アドバイスも受けながら、楽しく語り合いました。
出席者

新しい仕事にチャレンジする市民
・ 酒井 純       中小企業・個人企業に対するコンサルタント
・ 森本 明生      ㈱エムサポート 代表取締役
・ 佐藤 真紀      モロッコの雑貨店「リヤド」の経営者
既に事業をしている経験者
・ 経営者A(ご本人の希望により匿名とします)
県議
・ 花崎 広毅     千葉県議会 議員
市議
・ 内田 みえこ     我孫子市議会 議員
コーディネーター
・ 木川敏子       NPO法人ACOBA副代表
 


――出席者の自己紹介と起業に至った背景等――

酒井 広告代理店勤務・リビング新聞の営業担当を経て、コンサルタント・ファームの専属契約コンサルタントとして、主に市場調査等を担当している。
これらの経験を生かして、担当範囲を「中小企業・個人企業に対するコンサルティング」にも拡大した。
茨城に人的ネットワークを持っていることより、茨城にある中小企業をコンサルティング先として、半年前にスタートした。
今後は地域を問わず、中小企業の経営者が気軽に相談できる仕組みづくりに努めたい。

森本 印刷会社にデザイナーとして勤務した後独立した。
その後、印刷業界はITの進展とともに価格競争が激化し、何らかの付加価値をつけることが不可欠となった。
以前よりWebのサイトでスポーツ関係の情報を発信していたこともあり、スポーツ関係に人脈が多く、これを付加価値としてビジネス化することにした。
具体的には、情報誌C-Sportsを発行・配布することであり、7月に第1号を、9月に第2号を発行済みで、12月に第3号を発行する。
対象は千葉県内の学校や実業団を中心とし、地域密着の情報誌である。
当面は、選手を紹介することにより喜んでもらうことを目指している。

佐藤 JICA(国際協力機構)の青年海外協力隊でモロッコに派遣され、婦人服・子供服の縫製の技術指導に携わったことがきっかけで、モロッコから雑貨品を買ってきて国内で販売を始めた。
販売はネットでの販売が主である。
更に、アパレルにも関連していたことより、ウエディングドレスの仕上げ・調整の仕事も立ち上げた。
自分1人でできる仕事に特化しており、好きな仕事でもあることより、今後もこの状況を続ける予定である。

A氏 2年前に法人登記してスタートした。事業内容は商品の企画・卸である。
起業のきっかけは勤務していた企業が倒産したことであるが、倒産前の会社の業績が悪化した時期に、取引先には絶対に迷惑をかけないことで対応したこともあり、取引先の支援を得てスタートした。
起業して会社を継続していくことは簡単ではないことは十分承知していたが、独立するのは35歳前後と考え、39歳で勝負することにした。


――事業の特徴、心がけていること―

酒井 中小企業のニーズは個々の企業で異なり、大企業のような共通点は無いので、一方的なコンサルティングではなく、真のニーズ把握に心がけている。
数社の中小企業が纏まり、地銀から共同融資が受けられる状況を確立したいと思いその実現に向けて活動を開始した。常にアンテナを張り巡らしてビジネスチャンスを逃がさないことにも心がけている。

森本 付加価値を付けることと地域密着とに心がけている。
情報誌C-Sportsに掲載する学校や選手に足繁く運び、話を聞き・写真を撮り・プロフィールを貰い・編集と言う地味な仕事を続けている。
情報誌C-Sportsに掲載した選手は勿論、応援者や関係者に情報誌に対する関心を高め、喜んでもらうことが第一で、結果として情報誌C-Sportsの知名度も高くなり、広告も増える。
情報誌C-Sportsをおいてもらえる場所を増やすことにも心がけている。スポーツ関連の施設には快くおいてもらっており、更に我孫子駅前のインフォメーションセンターにもおいてもらえることになった。
選手や関係者に喜んでもらい、広告も増え、Win-Winの関係を実現したい。

佐藤 心がけていることは、扱う商品を自分の目で確かめることに尽きる。
A氏 重要なことは商品力を高めることである。そのためには商品を見つける力・作る力を高めることであるが、日ごろの積み重ねで力を強くすることであり近道はない。
ACOBAのチャレンジショップにも出店し、地元での販売もしている。



     ――議員としての創業に関連する活動とその背景――
      花咲 キャリアー教育と創業支援に深い関心があり、この分野での活動もしている。
サラリーマン時代にレンタルサーバーの営業を担当し、さらに人材紹介の会社を立ち上げてIT関連の求人と求職者のマッチングや転職相談の仕事・高校生のキャリアー教育提案等に携わったことが、この分野に深い関心を持つそのきっかけとなった。
このときの経験が、現在政治の世界に専念してからも非常に役立っている。
      内田 市民活動の原点である「市民による街づくり」を活動の基本としている。
そのきっかけは、サラリーマンを結婚退職した後、子育てをしながら英語塾をスタートし、PTA会長・国際交流協会の日本語教師・行政改革推進委員等に携わり、行政改革を進めるには議会を変えねばならないとの想いより、仲間に支えられて議員活動をスタートさせた。
「皆で我孫子をつくろうよ」が私のモットーです。

――我孫子を活動拠点にすることについて―

酒井 コンサルティングの仕事の場合は、事務所の立地はあまり重要ではない。顧客の中小企業は地域を問わない。
森本 千葉県内の学校や事業団を対象としているので、東京に事務所を構えても意味が無い。我孫子を拠点とするが、マーケットは千葉県全域である。拠点とマーケットは別である。
佐藤 活動拠点についてはあまり意識したことは無い。Webでの販売が主なので何処でも同じである。
A氏 東京に事務所を構えるほうが望ましいが、コスト面と通勤時間を考えると最初から東京に事務所を構えるのは難しかった。交通の便と金融機関が近いことを条件に事務所を探した。職住接近が理想であるが我孫子の商工業にはパワーが無いので東京で事務所を構える人が多い。我孫子に情報発信パワーがあれば我孫子で起業する人が増えると思う。


――起業支援ついて―

・チャレンジショップ

A氏 チャレンジショップに出店しているが、販売の実体験をするチャンスとしては良い活動であると思う。私の場合は、販売する商品は、特に季節商品は毎回換えている。
内田 このような活動をする団体がACOBA以外にも沢山でれば市民活動ももっと活発になる。どのくらいの売上実績ですか?
(伊藤)    今迄に5回開催した。第1回はチラシ作成費として10万円程度持ち出しになったが、最近では売上も80万円近くになりチラシ作成費に対する持ち出しは少なくなった。

・インキュベーションオフィス

A氏 私の場合、自宅より我孫子駅に行く途中にインキュベーションオフィス『ABIKOs』があり、ここにオフィスを構えた。現状としては至らぬ点も感じるが、このよう支援施設ができるのは方向性としては良いことだと思う。
内田 単に事務所のスペースを提供するのみではなく、静岡のインキュベーションオフィスと同様に、企業同士が連携して新規事業を生む為のコーディネート活動が欲しい。静岡では下駄屋とデザイン屋と広告代理店他が情報交換して新製品を生み出し輸出し、Win-Winの関係が出来あがっている。

・公的創業支援

A氏 私は起業時に公的支援は利用していない。理由はホスピタリティが良くないからだ。民間なら色々と工夫して利用しやすい様に改善するのだが公はそのようなことが無い。また、民でも出来ることは公でする必要が無いと思う。公ですべきことは「起業しやすい環境をつくる」ことではないだろうか。起業したくても手段・コスト・法的制約等の知識が不足しており、起業する気はあっても二の足を踏んでいる人が多い。
――新しい公共について――

内田 公共の担い手としての市の予算・組織・施策は縮小しており、この後も更に縮小する。予算を削減しても市民が困らない施策が求められている。公共の新しい担い手の育成を支援する必要があり、支援としては依存する支援ではなく、育てる支援に重点移したいと思っている。


――県/市の産業活性化施策支援について――

県としては下記の2点を最重要施策としている。
①   成田空港関連産業の拡大
②   農業振興―新しい農業を育成する方向

市の活動範囲が肥大化しており、これが産業活性化の足を引っ張っていると思う。
私はこの改善に取り組んでいる。さらに、民と公の棲み分けが必要であると考えている。
公は民では扱えない場合に限定する方向で見直しを進めるべきと思っている。(例えば、ACOBAがチャレンジショップを開催しており、類似の支援を市がする必要は無いとの意見が多い)

――議員として、その他の意見――

花崎 
①働くことに対する新しい価値観を高く評価している。例えば規模・金額で評価するのみではなく、「やりがい」を評価の対象とする等。
②我孫子の商工業は弱いとの意見が出ているが、尤もな面も有るが、逆にチャンスでもあるのではないか。我孫子の特長を生かしたビジネス、例えば自然や環境に関係するビジネス等なら有望と思われる。
内田 
中学生に対する職業体験をすすめてきた。親が働いているのを見る機会が無いので、最近の小学生・中学生は、親が稼いだ生活費に対する認識が薄くなっている。
関連するURL
花崎 広毅
内田 みえこ
森本 明生
佐藤 真紀