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「ふれあい弁当の会」は、ひとり暮らしの高齢者や調理が不自由な二人暮しの高齢者に手作り弁当をお届けし、同じ街に住むものどうし共にふれあい・励ましあい・支えあいながら暮らしていくことを願っているグループです。
会長の坂巻道代さんにお話をお聞きし、またアビスタでの調理・配達の状況を見学させて頂きました。その時の写真を文章の後に載せました。ご覧下さい。
1.「ふれあい弁当の会」の沿革
1984年に教育委員会が主催したゼミナールに出席したメンバーがその後もテーマを決めて調査・研究等を続けた後,「食」をテーマにしたグループが「ふれあい弁当の会」を立ち上げ1987年にひとり暮らしの高齢者への給食活動を開始しました。
スタート時はボランティア会員110名、給食希望者は36名、月1回の給食でしたが、その後は順次活動が拡大し、現在は会員数210名、給食希望者230名、給食回数は月3回、拠点数6箇所まで増大しています。
2007年にはふれあい弁当の会発足20周年会が開催されました。
2.活動内容
当会は、単なる給食の配達のみではなく、手作り弁当をお届けするとともに、会の名称の通り「心のふれあい」を大切にするボランティア・サークルです。具体的には、お弁当に季節感豊かなカードを添え、時には世代間交流の一環として中学生の手紙を添えたり、更には配達・容器の回収の際に安否を確認したり、話し合いの相手になって孤独感を緩和したり、等々、高齢者の方々への心遣いに工夫しています。
新規申込は、民生委員やヘルパーの紹介による社会福祉協議会経由ですが、地域によっては供給能力の限界よりすぐに対応するのが難しく、しばらく待ってもらうこともあるとのことです。
3.驚きの単価
坂巻さんとのインタビューで驚いたのは、弁当の一食の値段が21年前の活動開始から330円を守っていることです。これは材料費のみであり、人件費・配達費はゼロ、会場使用料・水道光熱費も公的施設でのボランティア活動のため免除されていることにより実現できていいる由。拠点毎に食材の調達は任されているようですが、調理実地見学させていただいたアビスタでは三班に分かれて、順繰りに調達担当を決め、安く調達できる情報を交換し合って330円で収まるように絶えず努力しておられるようです。
また、ただ安ければよいということでなく、安全な食材の確保に心がけ、地元産の野菜類の購入を優先し、衛生面でも通いの容器の煮沸殺菌、道具類の除菌、手洗い除菌などの励行による衛生管理を徹底して行っていると共に、衛生研修や料理研修を定期的に実施しているとのことです。
献立は各地区が順番に分担します。お年寄りの方は揚げ物を作るのは難しいでしょうから揚げ物の種類を増やし、生ものは採用しません。
調理は5箇所の近隣センターとアビスタの計6箇所で同じ日時に同一メニューで行われます。
4.調理風景
弁当とカード・手紙が12時までに届けられるためには11時までに調理と箱詰めまでの作業が完了しなければならず、9時に参集し途中時間の確認をしながらのあわただしい中で、皆さん和気藹々とした雰囲気で着実に調理が進められ、下の写真でも分かるとおり、弁当箱に料理が詰められてゆく景色はまるで花が咲いたような綺麗な仕上がりでした。
当日は68食の調理でしたが、各班遅滞無く正確に出来上がってゆく作業効率の良さには感心いたしました。これもこの会の長年に亘って積み重ねられた経験によるものでしょう。
調理の途中での清掃や道具類の衛生管理など無駄の無い作業性もすばらしく、また会員各自の持つ調理のノウハウを伝授しながらの技術交換等も会員同士の和やかな雰囲気の中で行われておりました。この日の調理担当は女性19名、男性1名、カード・手紙の仕分けと配達準備1名の21名でした。たまたま正月明けの2008年第一回目ということでお正月のバージョンでもあり、下の写真の通り、ボリューム・中身は多少通常より豪華なメニューではあったようですが、これが本当に330円で出来るのかと感心する驚きの内容でした。
5.配達
11時には、箱詰めが完了したものから、カードと手紙が蓋にゴムバンドで添付して配達地域ごとに保温布バッグに入れられてゆくと、調理場外にはボランティアの配達さんが待っており(この日は5名)、自動車、自転車、徒歩と分かれて「弁当が温かいうちに届けよう」と受け取ったら直ぐに配達に散って行かれました。無駄の無い活発な活動です。
配達に同行しての印象としては、皆さんが非常に楽しみにしていること、配達人との強い信頼関係が出来あがっていること、弁当だけでなくお話できることも楽しみにしておられる方も居られ、まさにふれあいの大切さが感じられた。配達を担当している方の話では「過去に市民活動支援の仕事に関ってきたが、このふれあい弁当の配達ボランティアの仕事は配達先のご老人から感謝されるので今後も続けたい」との由でした。
6.課題
ふれあい弁当の会の課題についてお聞きしたところ、「調理できるお弁当数に制限がありますので、地域によってはお弁当を希望される方々に待っていただくこともあることと、もう1つの課題は諸般の物価上昇傾向と助成金の削減が食材料に及んできますので、如何にして1食330円を維持して乗り切るかにあります」とのことでした。
指摘されるまでもなく、「安全な食材の確保」と「単価330円の維持」を両立されることは容易ではなく、大きな課題でしょう。配達先の高齢者から「この日が待ち遠しい」と感謝されている活動であり、一般的には助成金が削減されていますが、何とか助成金を増やしてもらえないものかと思う次第です。
また、今後は高齢者の増加に伴い、お弁当を希望する人が増えるものと思われますが、お弁当を希望される方々に待っていただく場合もあるとのことであり、この現状を改善するには調理を担当する会員を増やすことが不可欠でしょう。活動はボランティアの会員により運営されており、更に会員が金銭的な持ち出しをしている場合もある様で、例えば配達の際のガソリンほかです。会員を増やすために、必要経費は何とかできないものかと感じた次第です。これもまた助成金で面倒を見てもらうしか解決策は無いでしょう。

この様な高齢者に感謝されている活動の理想の姿としては、やはり「コミュニティ・ビジネスとして成り立つこと」ではないでしょうか。当面はその見通しは無いでしょうが、同じ街に住み・共にふれあい・励ましあい・支えあいながら暮らしていくことを願っている者同士の活動や公共的支援により実現できれば素晴しいことです。
7.各種受賞
当会は種々の受賞実績があります。
・1994年、地域での9年間のボランティア活動が評価され、中央学院大学アクティブセンターの
  「生活文化賞」受賞
・1996年、千葉日報「社会福祉賞」受賞
・最近の実績では、あびこビデオの会が2007年8月に開催した「ふれあい弁当の会20周年記念会」を撮影し、これを約15分のビデオにした作品がNHKの賞を貰いました

8.最後に一言
当会の活動を理解して会員になっていただける人は、月に一回の参加でもOKです。ぜひ入会してください。
以下は、1月最初のアビスタでの調理風景写真です。
(右)お弁当に添えるカードです。
笑顔・梅の花・鼠 全て貼絵です。手が込んでいます。この心のこもったカードをすべて保存している高齢者が多いとのことでした。

(下)新年になって最初ですので正月メニューです。
当日のメニュー内容は、赤飯、揚げ物(海老、竹輪、舞茸他野菜)、煮物(鶏肉、椎茸、筍、コンニャク、人参、ごぼう、絹さや)、酢の物(大根のなます)、手作り伊達巻、イチゴ・・・・・豪華ですね!!

(右下)中学生のお手紙も今回は添えます。世代間交流も重要ですよね!!

身支度・手洗いが済めば材料の確認です

今回は正月メニューですので赤飯です

揚げ物の準備。種類が多いですね

準備完了  さあ〜 揚げ物づくり開始!!

時間が無い!駆け足で隣の調理台へ!

紅白なますです。息の合った共同作業でしょう

赤飯ができました

伊達巻もできました

容器を煮沸消毒します

フルーツはイチゴです

できたものから順に盛り付け

最後の仕上げに心を込めて
さあ〜 正月料理ができあがりました。きれいでしょう!おいしいですよ!
盛り付けられると、お花畑になりました。正月に相応しい彩でしょう!! カードと中学生の手紙を添え、保温バッグに入れて配達準備完了 「寒いですね!お元気ですか!!お届けに参りました」、「ありがとう」


概要
名称
ふれあい弁当の会
TEL&FAX
04−7182−2268
E-Mail
michi727@s9.dion.ne.jp
設立年
1987年
代表
坂巻道代

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