舟運「小江戸さわら 舟めぐり」
現在7艘の遊覧船が2つの運航コースを1年中平日も運航。乗船客数は2004年度で1万6千人を超え、乗客は来街者が90%となっている。船頭さんは全員女性で、絣のもんぺに菅笠、赤い帯の昔なつかしい船頭スタイルで舟運の風景を再生し、観光客に人気がある。 佐原の古い街並み(国指定重要伝統的建造物群保存地区)と舟運事業実施が観光客誘致とその滞在時間を長くすることにつながっている。2005年4月からは、まちおこし会社独自の運営事業として、運航航路と乗船料金の改定をしたが、乗船客数は特に落ち込んでいない。しかし、安全運航のための船頭2人体制による人件費と平日運航実施が収益を下げ、舟運事業はまだ赤字である。
レストラン事業 創作日本料理「柳庵千よ福」
今年8月にオープンした創作日本料理店は、エントランスと蔵作り・数奇屋作りの2部屋ともこだわりの和風建物。地産地消の食材を使い季節感あふれる和風料理と、高級感のある落ち着いた雰囲気で女性客が多い。取材日は祝日だったためか予約客で満席だった。観光客だけではなく地元の人にもリピーターが多い。
株主への配当は当面「佐原の賑わい」
佐原市役所観光課長として佐原の観光行政を担ってきた永野さんが、ぶれきめらの常務取締役本部長として事業を推進している。「小野川はどぶ川で汚い、祭りは金がかかる、家並みは古くて住みづらい、とかって言われていました。しかし今は佐原を愛する市民の熱意でこの3つが観光都市佐原のシンボルとなっています」と永野さんは語る。 ぶれきめらの設立時資本金は5,500万円、その後の増資により現在資本金は9,800万円となっている。市、佐原商工会議所と、市民が個人株主として出資しているが、株主に対する当面の配当は「佐原の賑わい」である。 国指定重要無形民俗文化財となっている佐原の大祭秋祭りが近い。祭り好きの永野さんは、観光渡し舟(シャトル舟)運航だけではなく、もっと観光客をよべる仕掛けの展開中である。
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