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ケアプランは自分で立てよう・・・全国マイケアプラン・ネットワーク

　多くの人は、介護保険のケアプランの作成を居宅介護支援事業者(ケアマネジャー)に依頼していますが、本人が作成することもできます。全国マイケアプラン・ネットワークは、利用者が自分に最適な介護サービスを利用するために、ケアプランの自己作成を支援し、普及啓発する事業を行い、使いやすい介護保険をめざして、相談、情報交換の場作り、執筆、講演活動などを進めています。　　　　(画像提供：全国マイケアプラン・ネットワーク）

　介護保険制度は2000 年から始まったが、その年の10月に、島村八重子さんが朝日新聞「論壇」に 「ケアプランを自分で立てよう」と投稿した。「介護保険への苦情として、ケアプランを作っている介護支援専門員(ケアマネジャー)のあり方も問われている。しかし、ケアプランは利用者が自己作成してもかまわない。むしろ当事者の生き方を尊重したプランを自己作成したほうが、自己責任をうたう介護保険の趣旨に合っているのではないだろうか」

　投稿の趣旨に賛同する人たちを集めて、島村さんは2001 年6月、自己作成のメーリングリストを立ち上げた。顔合わせを企画したその席で、「全国マイケアプラン・ネットワーク」が結成され、島村さんは代表となった。

　企業からの助成金を得ることができ、また、当時は介護保険導入初期であり、医療・福祉の専門家やシステム専門家などが支援の手をさしのべてくれた。マスコミに取り上げられ、支援者の数が増えた。

　会は、「あたまの整理箱」というマニュアルと自己作成支援ソフトを自前で開発し、ケアプラン自己作成の支援と普及啓発活動を継続し、介護保険のバリアをなくすために市民から情報発信して行政にも働きかけている。

1　情報交換の場づくり
　　　メーリングリスト、会合、会報、ホームページ

会員は、メーリングリストで日々の情報交換を行っているが、直接の顔合わせの場として、自己作成者の会と応援団の拡大会合がある。自己作成者の会は、毎月一回、介護の現場で家族らの介護の渦中にいる人たちが各地から集まり、介護現場の現状や悩みを情報交換する貴重な場となっている。
会報は年数回発行、2002年8月から情報発信のためにホームページを立ち上げた。

2　ケアプランの自己作成ソフト「とき」の無料配布

利用サービスの自己作成支援ソフ「とき」は、システムの専門家がボランティアで開発し、2003 年1月からホームページから無料でダウンロードできる。自己作成者の会を通して使用しながら練り直し、何度もバージョンアップを重ねている。

3　自己作成マニュアル「あたまの整理箱」

自己作成ワークシート式マニュアル「あたまの整理箱」は、自分でケアプランを立てるにはどうしたらいいかという手順を丁寧に解説してある。福祉の専門家のアドバイスもとりいれて、単に介護保険手続きだけでなく、「自分らしい生活を手に入れるにはどうしたらいいか」という大きい視点で介護をとらえらている。ホームページに公開され、2004 年には製本版もできた。

4　シンポジウム、講座の開催

シンポジウムを年1回開催、年々参加者が増え、厚生労働省の担当課長も出席している。また、マニュアルとソフトを利用して介護サービス計画書を作っていく講座を随時開催している。

今までは代表の島村さんの力と熱意、それを支えるボランティアの活動で続けてきたが、会の活動の継続・拡大のためには事務局を設置し専任スタッフを置くなど組織的な体制が必要となる。十年後、親の介護を終えて自分たちが介護保険を利用する時代には、利用者が主体的に関われるような介護保険利用の仕組みづくりを構築していきたいと島村さんは考えている。

●概 要